2014年3月25日火曜日

CAEBVの診断

CAEBVの診断指針は、EBウイルス感染症研究班が2003年に提案している。
http://ebv.w3.kanazawa-u.ac.jp/pdf/CAEBV0113.pdf

1) 持続的あるいは再発する伝染性単核症様症状
2) VCA, EA抗体価高値を伴う異常なEBウイルス抗体反応または病変組織(含末梢
血)におけるEBウイルスゲノム量の増加
3) 慢性に経過し既知の疾患とは異なること*
以上の3項目をみたすこと。
*経過中しばしばEBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症、主にT細胞・NK細胞リンパ増殖性疾患/リンパ腫などの発症をみる。一部は蚊刺過敏症などの皮膚病変をともなう。 

ひとつずつ見ていきましょう。

1) 持続的あるいは再発する伝染性単核球症様症状

伝染性単核球症様症状の説明は補足条項にありますが、漠然としています。
補足条項
1. 伝染性単核症様症状とは、一般に発熱・リンパ節腫脹・肝脾腫などをさす。加えて、伝染性単核症に従来主に報告される血液、消化器、神経、呼吸器、眼、皮膚あるいは心血管合併症状・病変(含動脈瘤・弁疾患)などを呈する場合も含む。 
通常、伝染性単核球症といえば、発熱、咽頭痛、リンパ節腫脹ですね。
あとは、肝脾腫、異形リンパ球、ときに肝障害でしょうか。
他のウイルス感染、ある意味感冒程度でも生じうるもので、特異的な意味はなく、
「なんらかのウイルス感染を疑う症状を繰り返している」という状態でしょう。


2) VCA, EA抗体価高値を伴う異常なEBウイルス抗体反応または病変組織(含末梢血)におけるEBウイルスゲノム量の増加

PDFファイルの補足条項の2と3は、この2)の項目についての補足です。
血液検査などによって、EBウイルスが異常に増えていることが判明しているということですね。

これについては次回詳しく見ていきます。


3) 慢性に経過し既知の疾患とは異なること

いろいろ調べても、他の疾患にはあてはまらないということですね。
CAEBVは、有病率が非常に少なく、最初に疑うべきものではないのでこうなっています。



まとめると、
1) なんらかのウイルス感染を疑う症状を繰り返している
2) 血液検査などでEBウイルスが異常に増えている
3) いろいろ調べても他の疾患ではなさそう

ということが診断指針ということです。

1) は若年者ではそれほどまれなことではないですし、
繰り返しの頻度については、記述がなく、多くの人が該当しそうです。

3) いわゆる不明熱は、原因がわからないことが多く、
これも該当する人が多そうです。

つまり、2) のEBウイルスの異常増加、が主要決定要因といえます。
これをみたら、CAEBVの可能性が高い!となるということです。

次回に続く







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